先日紹介したランクル100に続き、
私の愛車 兼 弊社デモカーの
W140 Sクラスを紹介したいと思います!
「お洒落の前にまず清潔感」。
古い車を乗るにあたって
私がいつもテーマにしていることですが、
このW140はその更に前段階として
「普通に乗れるようにする」
これが必要でした。
まず、ベース選びですが、
W140に乗るなら、
①S600ロング
②後期型(’97モデル)
③新車並行
この3点は絶対条件でした。
ひとつひとつ理由を挙げていくと、
①のグレードに関してですが、
ここはもう問答無用でS600です。
正確に言うとS600L、ロングですね。
V型12気筒のM120型エンジン搭載、
「チュイーン」と速く回るセルモーター、
独特の12気筒の滑らかなフィーリング。
これまでにマイカーとしてのW140は
500が1台(1台目)、
600を2台(2台目、3台目)、
今回のこの個体で4台目なのですが、
V12搭載の600じゃなければここまで
ハマることはなかったでしょうね。
ちなみにすべて、後期のロングです。
②に関しては、デザインはもちろん、
モデル末期の方が熟成されており、
トラブルが少ないという
輸入車購入のある意味セオリー通りです。
話が脱線しますが、
以前乗っていたW124の500Eに関しては
デザイン、エンジン仕様ともに
初期の’92モデルに拘りましたが
W140に関しては私個人的には
1996年8月以降に製造された
’97モデル、所謂後期型を選びたいですね。
武骨なデザインの前期型もいいんですが、
如何せんトラブルが多いと聞きますので。
(特にV12エンジン搭載の600SEL)
③に関しましては、
装備的な理由です。
後期ディーラー車の600には
純正ナビが標準装備。
正確には
「インフォメーション&コミュニケーションシステム」
っていうんですけど、
まぁ国産セダンで言うところの
「純正マルチ」に相当するものです。
これで何してんの~?っていうと、
ナビの機能に加え、
オーディオやエアコンのコントロール、
燃費などの走行データの表示など、
色んな機能が備わっているんですけど、
壊れると非常に厄介なことになります。
こんなもん、いらんわけですよ。
更に理由を挙げると、
インテリアのウッドパネルの違い。
ディーラー車ではウォールナットですが、
並行車はバーズアイ。
要は、D車だと茶色いウッドが、
並行だと黒っぽいウッドなんです。
カッコいいだろう!
他にもヘッドランプが
純正ディスチャージだったりもします。
トランクのナンバーポケットが
幅広なのも好きなポイントです。
とまぁ、ベース選びから
しっかりと拘るわけですが、
ここまで拘るとですね、
タマが無いんですよ。
「もう一度W140乗りたいなー」
と思い始めてから、
2年以上は探したんじゃないでしょうか。
ユーザーさんからの買取りの話なんかも
あったんですけども、
なかなか…。
で、ついに出てきました!
業者オークションで見つけたこの個体、
実走行7万km台のワンオーナー車。
オークション評価は4点。
正直、バリ物では無かったです、
エアコンも故障してましたし。
ただ、内装がまだキレイだったことと、
ベース車としてはOKレベル、
これを逃したらもう出てこーへんやろ!
という思いで仕入れてきました。
まずやったことは、オイル類の交換。
エムジャパンさんでリフトアップしてもらい、
オイルというオイルはすべて交換。
エンジンオイルのエレメントや
オートマのフィルターなんかもね。
バッテリーやエアコンフィルター、
エアクリーナーのフィルター、
冷却水ももちろん交換しましたよ。
基本の「き」ですね。
さらに、タイヤも新品交換。
W140の純正サイズのラインナップは
ミシュランかコンチネンタルだけ。
納期の関係でミシュランを選びましたが、
これだけで4本で10万円以上!
あまり出ないサイズは、高いです。
この時の様子はこちらで紹介されています。
その後、近くのMBワークスさんにて
エアコン不良の故障診断をしていただき、
他にも気になった点はすべて、
一気に直していただきました。
作業内容としては、
・エアコン修理
・パワーウィンドウスイッチ陥没の修理
・ショックアブソーバー交換(4本)
・リアアキュームレーター交換
・レベライザーオイル交換
・足回りブッシュ類交換
・左テールランプ交換(異物混入のため)
・ライトスイッチ交換
・内装イルミネーション球交換
・フロントPTS修理
などなど…
いつも言っている、
「お洒落の前にまず清潔感」。
その更に前段階として
「健康な状態を取り戻す」ことが必須です。
それから、ヘッドライトを分解し、
内部のクリーニングを施工。
掃除にヘッドライトレンズの
パッキンも新品に交換。
その後、いつもの鈑金塗装屋さんで
ボディ磨き&ガラスコーティング施工。
バッチバチに攻めてもらいました。
色褪せていたフロントグリルの横桟も
きれいに塗り直してもらいました。
ちゃんとした調色がわからなかったので、
比較的似ていると思われるメルセデス純正色の
「セレナイトグレー」をチョイス。
艶消しであるセレナイトグレーマグノという色も
純正色で設定があったのですが、
これは完全に艶消しでしたので、
あえて普通のセレナイトグレーを
3割ほど艶を引かせて塗ってもらいました。
健康、清潔感を手に入れたW140。
ここでようやく最終段階の
「お洒落」に手を付けられるわけですよ。
以前のブログでW140用として
ホイールを購入したことを
覚えていただいてますでしょうか。
BRABUS Monoblock Ⅲ。
ここで、ようやく履けるわけですよ。
仲のいいお客さんから、
「ブラバスはまだ履かないんですか?」
と聞かれたことがあるんですが、
私としては車が仕上がってから
履かせたかったんですよね。
ちなみにホイールを換えたあとは、
いつものフジイアライメントサービスさんで
しっかりとアライメント調整してもらいました。
この時の様子は、
フジイアライメントサービスさんの
ブログに掲載されていますので、
よかったら見てくださいね。
ひとつ突っ込むと、
最初にタイヤを新品に交換した
純正アルミホイールが
無駄になるやん!って話ですが、
当初は新品のモノブロックⅢが
出てくるなんて思わなかったんですよ。
それから、オーディオも交換。
考えた末、選んだのは
カロッツェリアのDEH-P01。
カロッツェリアのCDデッキの最高峰。
高かったけど、これも拘りました。
あ、そういえばフィルムも貼りましたね。
透明の断熱フィルム、全面。
これはエアコンの効きが~というよりは
内装の保護のためですね。
劣化を防ぎたい一心です。
ここまで手をかけて、自分なりに
ようやく「見れる」ようになったW140。
そういえば、このW140を仕入れた時、
嬉しくてブログに載せたんですけど、
「W140は販売されないんですか?
売るならおいくらくらいですか?」
というお問合せをけっこういただきました。
仕入れた段階では乗りだすまでに
どれくらいの費用がかかるか
まだ全然わからない状態でしたが、
ほとんどの方が
100万から150万円くらいで
乗りだせると思われていたようですが、
とんでもない!
車体の仕入れ価格だけで
その価格には全然おさまりませんし、
乗りだしまでのリフレッシュだけで、
新車のタントのカスタムRSに
そこそこオプション付けたくらいの
金額が掛かっています。
車体代と合わせれば、
5年落ち、つい最近まで現行だった
W222のS550ロングが
余裕で買えちゃうくらいですよ。
しかも、(業者である)私の原価で、です。
エゲツないです。
同じお金を払って乗るのなら、
新しいW222を選ぶ方が
ほとんどでしょうね。
その方が、ええカッコできますし。
W140なんて傍から見たら
ただの古いベンツですしね。
でもね、私はW140がいいんですよ。
W140の600に乗りたいんです。
しかも、ビシッとしたヤツにね。
車って、興味ない人からすれば
ただの移動手段、
道具にすぎないんでしょうけど、
我々のような車好きからすれば
彼氏だったり彼女だったり、
相棒だったり宝物だったりするんですよ。
ちなみに私は「相棒」派です。
「彼女扱い」はしません。
どちらかと言えば趣味性の強い、
維持費のかかる車種が多い、
弊社の在庫車ラインナップ。
ランニングコストだけ考えるとすれば、
プリウスやアクアを買っておけば
車体も、税金などの維持費も、
よっぽど楽なんだと思います。
でも、命を乗せて走らせる車、
少しくらい拘っても
罰は当たりませんよね~。
それが仕事のやり甲斐にもなりますし、
素敵な人間関係にも繋がりますしね!
またまた話が長くなってしまいましたが、
弊社のW140の紹介でした。